支援者管理システムはNPOの基幹システム。CRM選定は慎重に。

NPO/NGO向けの顧客管理システム(支援者管理システム)が次々とリリースされています。数年前まではSalesforce(セールスフォース)かMicrosoft Dynamics CRM(ダイナミクスシーアールエム)の選択肢しかなかったと記憶しているので、今はまさに群雄割拠の時代と言っていいと思います。支援者管理に活用できるシステムは以下の通りです。

顧客管理システムは英語でCustomer Relationship Managementなので、省略してCRMと呼ばれます。NPO/NGO向けの顧客管理システムはDonor(寄付者/支援者) Relationship Management、DRMと呼ばれることもあります。

 

Sansan for NPO(Sansan)

SansanはCRMではなく名刺管理サービスになります。顧客名簿をデータで管理できていないNPOやNGOはまずはデータ化から始めるのがいいと思います。名刺5,000枚まで、月額使用料は10,000円でスキャナが付属します。対象法人格は、特定非営利活動法人、公益法人(公益財団法人と公益社団法人)、社会福祉法人に限られます。すでにCRMを導入済みで支援者情報の入力や活用が進んでいない団体にもいいかもしれません。

 

Kintone(サイボウズ)

サイボウズのNPOプログラムは、「cybozu.com」の各製品(Office、Garoon、メールワイズ、kintone)が50ユーザー、年額10,000円(税別)で使えるプログラムです。対象法人格は、特定非営利活動法人のみ。CRMとして活用できるのは、kintoneです。こちらも正確にはデータベースとは言えませんが、CRMや顧客管理として活用事例・活用実績があります。エクセルで支援者名簿を管理している団体の次のステップとしていいかもしれません。

 

ZOHO(シン・ファンドレイジングパートナーズ)

2017年3月からサービスが始まっているZOHO CRMのNPOパック。対象となる法人格は、特定非営利活動法人(NPO 法人)、認定特定非営利活動法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、宗教法人、更生保護法人で、10ライセンス分は無償提供です。サポートサービスは、月額8,000円(2回まで、3回目以上は5,000円/回、翌月への繰り越し不可)です。

 

Congrant(リタワークス)

リタワークス社が提供するCongrant(コングラント)も新しいCRMサービスです。団体の年間予算額によって、システム使用料金は異なります。対象の法人格は、特定非営利活動法人、任意団体、財団法人(公益、一般)、社団法人(公益、一般)、医療法人、社会福祉法人と幅広いです。決済金額の6%の手数料で、クレジットカード決済機能も利用できます。テクニカルサポートは回数無制限です。

 

Salesforce(セールスフォース・ドットコム)

もはや説明不要になっているSalesforceの非営利団体への製品寄贈・割引(Power of Us)プログラム。対象法人格は、特定非営利活動法人(NPO 法人)、認定特定非営利活動法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、宗教法人、更生保護法人と幅広い非営利団体で活用できます。Salesforce活用団体による勉強会やユーザ会、セールスフォース・ドットコム社員によるプロボノ支援プログラムなどもITスキルに不安があるNPO/NGOにとってはうれしいサポートだと思います。ファンドレックスファンドレックスDRM基本パック)やIAFコンサルティングGOEN CRM)などのパートナー企業がSalesforceの導入支援を行っています。

 

Dynamics CRM(マイクロソフト)

Salesforceと同様に、マイクロソフトのDynamics CRMも非営利団体向けCRMを提供しています。対象団体は、ウェブサイトのマイクロソフト非営利プログラム利用資格を確認してください。クラウド型は、月額 1,630 円/ユーザで利用できます。クラウド型だけでなく、オンプレミス型(自社サーバ設置型)も選択できるのが特徴です。オンプレミス型はTechSoupのウェブサイトから申し込みできます。ファンドレックスに導入支援の実績があるようです。

 

「NPO向け」と言っても、価格がNPO向けなのか、機能がNPO向けなのか、ソフトウェアやプログラムによってその意味は異なります。NPO向けの機能は、CRM導入支援企業が技術だけではなくNPOの業務内容に詳しくないと開発が難しいものです。たとえば「領収書の発行」は、どのCRMでも対応している標準的な機能ですが、NPOの場合、都度発行だけでなく、確定申告の時期に1月から12月の寄付を一葉にまとめて発行すること(マンスリーサポーター制度がある団体によく見られます)もあります。認定NPO法人とNPO法人では領収書の管理項目も異なってくるはずです。会員期限の管理についても、いつ入会してもその年度の会費として受け取る年度ごとの管理、入会月による管理、入会日による管理のように団体によって異なります。

CRMは、NPO/NGOにとって基幹システムとも呼べる重要な仕組みです。導入・開発に当たっては財源・時間などのコストを負担しなければなりませんし、導入後簡単に入れ替えることも簡単ではありません。価格やウェブサイトの情報だけで判断するのではなく、セミナーに参加する、個別に話を聞く、デモ画面で確認するなどして、「CRMの機能」と「CRM導入支援企業のNPO業務に関する理解度」も合わせて慎重に判断するのがいいと思います。