NPOウェブサイトの新・三方よし

「三方よし」と言えば近江商人の家訓である「買い手に良し、世間に良し、売り手に良し」ですが、NPOやNGOのウェブサイトに必要な新・三方よしを提案したいと思います。

 

寄付者に良し

まず「寄付者に良し」です。寄付したい人にとって、わかりやすいウェブサイトになっていますか?郵便振替講座、銀行口座、クレジットカードなど寄付の送金方法の多様化を進めるだけでなく、どのページにいても寄付ページへの導線を確保しておく必要があります。グローバルナビゲーションに「寄付・入会」を設けているNPO/NGOは多くありますが、「寄付・入会」だけ他のナビゲーションと色を変えておくことも効果的です。

たとえば、セカンドハーベスト・ジャパンのウェブサイトは、グローバルナビゲーションにある「寄付する」だけ異なる色になっています。この記事の本題ではないのですが、セカンドハーベスト・ジャパンは写真の使い方が非常に上手な団体です。イメージ写真にさりげなく団体カラー(セカンドハーベスト・ジャパンの場合はオレンジ)の小道具や備品を写しこむことで、ブランディング、全体の統一感を出しています。

 

ボランティアに良し

次に「ボランティアに良し」です。ボランティア希望者にとって、わかりやすいウェブサイトになっていますか?ボランティア向けの説明会やイベントをまとめておくにはもちろんですが、連絡先を複数用意してくことを忘れてはいけません。電話番号、FAX番号、メールアドレス、フォームなどお問い合わせしやすい連絡方法を複数、用意しておきましょう。

以下は、ハンガー・フリー・ワールドの「ボランティアをする」(カテゴリーは「あなたにできること」)ページです。ボランティア・プログラムを一覧で見ることができます。詳細ページには、ボランティアの概要がコンパクトに掲載してあり、先輩ボランティアの声も紹介してあります。問い合わせ先(電話番号、フォームへのリンク)だけでなく、問い合わせ時間、担当者も明記してあり、安心して問い合わせることができます。

 

メディアに良し

最後に「メディアに良し」です。取材を希望するメディアにとって、わかりやすいウェブサイトになっていますか?海外のウェブサイトにはよくあるのですが、「プレスルーム」や「メディアセンター」というカテゴリー、ページを作成し、プレスリリースのほか、写真や活動紹介の定型文などの素材をまとめておくとメディアにとって使いやすいウェブサイトになります。

国境なき医師団・日本のウェブサイトには、「プレスルーム」というページがあります。広報担当者への問い合わせ先や最新プレスリリース一覧、団体紹介(ファクトシート)、写真ギャラリー、映像素材などがまとまっています。映像素材にある360°動画(たとえば、「360°動画: シリア人難民の生活~ベッカー高原」)といったコンテンツも興味深いです。

 

もうひとつ、ルーム・トゥ・リードの事例もご紹介します。ルーム・トゥ・リードは「プレスキット」というページを設けています。ファクトシートや写真のほか、ロゴやリンク設定、団体プロフィールの定型文(ボイラー・プレートと呼ぶらしいです)がダウンロードできるようになっています。

 

ウェブサイトの場合は、「読者」ではなく「利用者」(ユーザー)と言われます。団体によっては、サービスや施設の利用者がこの三方(寄付者、ボランティア、メディア)に加わることがあるでしょう。利用者を特定することでページの設計方針が明らかになります。利用しやすいウェブサイトを目指してください。